間質性膀胱炎・膀胱痛症候群(Interstitial Cystitis/bladder pain syndrome, IC/BPS)とは、膀胱の慢性的な炎症を特徴とする疾患です。
膀胱の痛みや不快感、頻尿、切迫感などの症状を引き起こします。
この病気は、特に女性に多く見られ、生活の質に大きな影響を与えることがあります。
症状
- 膀胱の痛み:特に膀胱に尿がたまってくると痛みが強くなることがあります
- 頻尿:強い尿意によって、1時間に何度もトイレに行く必要がある
- 切迫感:トイレに行きたいという強い衝動がある
- 性交時の痛み:性行為中に痛みを感じることがある
原因
間質性膀胱炎の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与している可能性があります。
- 膀胱の内膜の障害:膀胱の内壁が損傷を受けることで、痛みを引き起こすことがあります
- 免疫系の異常:免疫系の異常を生じて膀胱を攻撃することがあると考えられています
- 神経の異常:膀胱の神経が過敏になり、痛みを感じやすくなることがあります
診断
症状の評価や膀胱の膀胱鏡検査を施行して診断します。
膀胱鏡の特徴的な所見は
- 五月雨用出血
- 点状出血
- Hunner潰瘍:Hunner病変があるタイプはHuner病変がないタイプに比べて重症といわれています
治療
- 薬物療法:抗アレルギー薬や漢方、鎮痛薬、免疫抑制剤が使用されることがあります
- 膀胱内注入療法:膀胱内に薬剤(ヘパリンやステロイド、DMSOなど)を注入する治療法です
- 生活習慣の改善:食事やストレス管理が症状の緩和に役立つことがあります
- 手術療法:膀胱水圧拡張術をおこないます。膀胱水圧拡張術は診断としても非常に重要であるとともに、非常に有用な治療方法です。
また、ボトックス膀胱壁内注入療法も有効といわれています。どの治療にも抵抗性がある場合には、膀胱全摘除術を施行する場合もあります。
間質性膀胱炎は原因がはっきりとわかっていない疾患であり、個々の症状や反応に応じた治療が必要です。
ストレスや刺激物の摂取をさけたりすることで症状の悪化を防ぐことも可能です。
このような症状がある場合や、ご不安な方は気軽にご相談ください。