腎細胞癌(Renal Cell Carcinoma, RCC)は、腎臓に発生する最も一般的な悪性腫瘍であり、腎臓の小管上皮細胞から発生します。腎臓の悪性腫瘍の約90%を占め、淡明細胞型が最も多く、全体の約85%を占めています。
乳頭型や嫌色素型、Bellini管(集合管)型などがあります。
腎細胞癌の発生率とリスク要因
腎細胞癌は、特に40歳以上の成人に多く見られ、65歳から75歳の年齢層で発生率が最も高くなります。
男性は女性に比べて約1.5倍のリスクがあります。
リスク因子
- 喫煙: 喫煙は腎細胞癌のリスクを大幅に増加させることが知られています。
- 肥満: 体重過多や肥満もリスク要因とされています。
- 高血圧: 高血圧の患者は腎細胞癌の発症リスクが高いです。
- 遺伝的要因: Von Hipple Lindau病やBHD症候群など
- 透析:透析をしている方は透析していない方と比較して数十倍高いといわれています。
症状と診断
初期は基本的には無症状です。進行してくると下記の症状が出現することがあります。
特に血尿、腹部腫瘤、腰背部痛は古典的三徴といわれています。(現代ではここまでの症状で発見されるのは稀です)
- 血尿(尿に血が混じる)
- 腹部や側腹部の腫脹
- 転移などによる骨痛などの癌による痛み
- 体重減少
- 発熱や極度の疲労感
診断:超音波検査やCT検査(造影剤を使用した検査)をおこなって診断いたします。
治療方法
Ⅰ-Ⅲ期は手術療法(部分切除術もしくは根治的腎摘除術)をおこなうのが一般的です。
手術の方法は腫瘍の大きさ、部位、進行状況によってかわりますが、開腹手術や腹腔鏡手術やロボット手術をおこないます。
そのほか、進行の状況によっては免疫療法、分子標的両方などいろいろな治療方法があります。
腎臓癌を疑った場合には早期に診断、治療をするのが好ましいため、東邦大学医療センター大森病院や東京労災病院、昭和医大などご希望の総合病院へご紹介をいたします。