精巣が回転して精索がねじれることによって、精巣への血流が妨げられる緊急の医療状態です。
思春期の男性(12歳から18歳の間に多く発生し、特に13歳から14歳)に多く見られ、発症から6時間以内に手術を行わないと、精巣が壊死することがあります。
症状
- 激しい片側の精巣痛:突然の痛みが発生し、通常は片側の精巣に集中します。
- 精巣の腫脹:痛みとともに精巣が腫れることがあります。
- 吐き気や嘔吐:腹痛を伴うこともあり、特に年少者では痛みの部位を正確に伝えられないことがあります。
原因
精巣捻転症は、精巣がBell型(釣鐘型)と呼ばれるタイプでは回転しやすいために発生しやすいです。
この状態では、精巣が精索を軸に回転しやすくなります。
外的な衝撃や運動中に発生することもありますが、特に明確な誘因がない場合も多いです。
診断と治療
身体検査や超音波検査行います。
治療は緊急手術を必要とし、精巣を元の位置に戻し、血流を回復させることが目的です。
手術後は、再発を防ぐために精巣を陰嚢の内壁に固定します。
予後
手術が早期に行われれば、精巣を保存できる可能性が高いですが、時間が経過するほどその可能性は低下します。
発症から6時間以内に手術を行えれば、精巣を温存することが可能ですが、発症から12時間以上経過すると、精巣を温存できる確率は50%以下にまで落ちます。
片方の精巣を失った場合でも、子供を持つことは可能です。
精巣捻転症は、急激な痛みを伴うため、早期の診断と治療が非常に重要です。
痛みを感じた場合は、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。