WAVE療法(Water Vapor Energy Therapy)は、前立腺肥大症(BPH)の治療法の一つで、経尿道的に水蒸気を用いて肥大した前立腺組織を縮小させる低侵襲な手術です。
この治療法では、103℃の水蒸気を前立腺に注入し、組織を約70℃まで加熱することで、前立腺組織を壊死させます。
壊死した組織は1~3ヶ月かけて自然に吸収され、排尿症状の改善が期待できます。
WAVE療法の特徴
- 低侵襲性:
従来の手術(TURPやHoLEPなど)に比べて、手術時間が15分程度と短く、出血のリスクが少ないため、患者の負担が軽減されます。 - 短時間の手術時間:
手術は約15分程度で終了し、日帰り手術が可能です。前立腺の大きさにもよりますが、一般的には1週間程度でカテーテル抜去となります。 - 性機能の温存:
WAVE療法は、尿道粘膜や性機能を温存することができることが大きなメリットとなります。
術後の経過
術後、1週間程度の尿道カテーテル留置が必要となります。
術後は一時的に排尿困難になることがありますが、通常は1~3ヶ月で改善します。
合併症
主な合併症としては、尿道の痛みや違和感、尿路感染症、血尿などが報告されていますが、これらは比較的軽度であることが多いです。
適応となる病態
- 前立腺容積が30-80mlで薬物療法が効果を示さない方
- 手術が困難な高齢者や合併症を持つ方
- 尿道カテーテルを使用している患者さんや手術をためらっている患者さんにとって、新たな治療選択肢となります。
お薬をずっと飲むのは不安。入院するのはちょっと抵抗があるという方もいらっしゃると思います。
ご不明な点などしっかりと説明いたしますので、お気軽に受診なさってください。